【書評】すべてのJ-POPはパクリである。現代ポップス論考 (マキタスポーツ)

書評

 

  1. 手にしたきっかけ
    ・楽曲制作を行う上でのヒントを得るため
    ・たまたまラジオでマキタスポーツさんを知り、本にも興味も持ったため

  2. 本の特徴
    ・全4章
    ・イラストや分析結果あり
    ・ユーモアある文章表現と明確な表現がブレンドされており読みやすい

  3. 入手場所
    ・Amazon (Kindle)

  4. 読んで気づいたこと変わった事
    ・ヒット曲の構造
    ・オリジナルについての概念

  5. 総評
    ・何となく気づいていたけど、声に出して言えない法則を惜しみもなく書かれている
     教則本に書かれていることとは別のアプローチなので過去にいろんな教則本を読まれた
     方も教務深く読める

 

 

ヒット曲の法則とパクリにならないメソッド

ヒット曲の法則は何なのか?

この観点については、他の本でも書かれているテーマであり、
楽曲制作者が一番気になるところです。
また、一番拒絶反応をしめすことなはずです。

この本では、普通の教則本と違い

・曲
・詞
・構成
・オリジナリティー


をひとくくりに述べているところです。

わたしも楽曲を作る身として経験あるのですが、
良い曲を作る為に作曲用の教則本を買って

「よし!作るぞ!!」

となるのですが、いざ作詞すると

「プツん」(何を書いたらよいのだ。。)

と思考が止まるですよね。
また、楽曲の構成を考えると

「どうしよう。。。」

となります。

つまり、曲作りだけ知ってもトータルで把握しないと
思考と手が止まるわけです。

「そんなのおまえだけだよ」

という方は、すいません。。。
わたしはそういうタイプの人間でした。。

で、本書はヒット曲によく使われるコード進行であるカノン進行について
歌詞では、

「翼」
「扉」など

みれば

「あー、あるある」

と思える言葉を抽出されており、
結構実用的でありました。

そして、ヒット曲定番のサビから始まる構成など
あるあるな展開についても述べられてます。

ここまでも参考になることは多いですが、
欠けているのは

「オリジナリティー」

逆を言うと、パクリに近い状態になってしまうわけです。

そこで作り手ならではの言葉が必要になるわけですね。
そのきっかけが

「自分ならではの経験」
「コンプレックス」


これらを組み込むことで、
聴いたことがあるようで無いという

馴染みと新しさが生まれるわけです。

本の中では

植村花菜さんの「トイレの神様

を例に挙げてましたが、
確かに彼女の経験とそこから得た言葉があるからこそ、
共感と彼女らしい楽曲ができたので納得です。

 

 

 

幅広い視点での分析

楽曲制作の観点だけでなく

「マーケティング」
「モノマネの必要性」


についても、触れられています。

ここま興味深いところであり、
音楽の教則本とは異なるところ。

今の時代は、自分で音楽を配信したり個人でのマーケティングが盛んになってます。

なので、「マーケティング」についても
必要な知識になってます。

単にCDを作っても売れませんし、
配信しても同じです。

90年代のJ-POPブームでは物凄いでCDが売れましたが、
今は、何か特典をもうけないと売りづらい世の中になってます。
そういった、背景についても述べられており思わず

「なるほど。」


と、うなずくこともしばしば。

また、「モノマネ」についても述べられており
決して批判的なことなく、
整然と肯定的に述べられており
さすが、芸人さんが書かれているだけあって説得力ありました。

全体的にすごく良く分析されていて、
それをユーモアを交えながらわかりやすくかかれているなと
関心しならがら読めました。

この手の本はどうしても、
専門的な知識に踏み込まないと
説明がつかない、
読み手はついていけなくなる、
結局伝わりづらい内容になりがちですが、
この本は適度に深度までの専門的知識の説明に
とどめて書かれているので音楽に知識がない方もすんなり読めます。

 


パクリ論争とオリジナル

ヒット曲がうまれるとついてくのが

「パクリ論争」

だれだれのパクリというのがついてまわり
楽曲の価値を下げようとするような風潮が現れます。

実際には本当にただのパクリというものあるので
一概にそれがダメっていうわけでもないですが、
ちょっと過剰かな?
というのが個人的な印象でもあります。

そもそも、ヒットに法則があるのであればそこにはマンネリというのがうまれます。
それは類似したものがうまれることであり、その原型があるということにもなります。
これは、音楽だけに言えたことではないですが物事完全なオリジナルはなく
常に模範とアレンジの繰り返しでマンネリと新しさのバランスが良いと
人はオリジナリティーがあると判断しつつ、
マンネリな部分にもスポット当ててパクリの
粗探しをするように思えます。

この本では、

「パクリ論争などバカバカしい」

と、明言されてますが、
著者は決して、パクリを否定してません。
ここまでの本の内容を理解すると納得できる部分になります。

わたしは、パクリが良い悪いさておき
好きな楽曲の元ネタを探ったり知ることが
好きです。

それを知った時に

「ここから影響を受けたのか」

と、ほっこりする気分になるからです。

それを

「パクリだから価値なし!」

と判断し過剰に批判的にならずに
好きなアーティストのルーツを知ったりする良い機会と
とらえれば有意義になります。
※著作権に触れるようなパクリは問題ありですが。

 

おわりに

30〜40代、音楽に興味がある方は特におもしろく読めると思いますよ。
わたしはもろに当てはまるので、いっきに読めました。

ただ、すぐにヒット曲をつくれるかといえばお約束はできません(苦笑)

概要がわかっても、それをいざ具体的な形にするのはこれまた苦労があるわけで。。。

ですが、知っているとやはり1つの楽曲制作のメソッドが加わることになるので
武器になるのは確かです。

その武器をどのようにうまく活用するかが持ち手に委ねられるわけなので
そこは自分自身で活用していけたら良いなと思います。



今回も読んでいただきありがとうございました。

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