楽曲について
ZARDと言えば作曲は織田哲郎氏
を思い浮かべる人が多いと思います。
私もその1人で繊細で情緒ある楽曲が
特徴であります。
その魅力がこの曲でも全体に行き渡って
おり、どこを切っても織田節が染み渡ってます。
その魅力をコードから解析してみようと思います。
イントロ
度数 Ⅴsus4
短いイトンロですが、
この曲を印象付ける最高のイントロです。
このザワつ「来るぞっ!来るぞっ!!」感じはsus4。
マイナーともメジャーとも属さないこの響きは
個人的に一番好きなコードなのですが、
それが見事にハマったイントロですね。
Aメロ
コード進行B♭-FonA-Gm-DmonF
E♭-B♭onD-C7-F7
度数 Ⅰ-ⅤonⅦ-Ⅵm-ⅢonⅤ
Ⅳ-ⅠonⅢ-Ⅱm7-Ⅴ7
カノン進行ですね。
またオンコードを使った見事な下降ラインで
B♭からC7まで順次に下降してます。
そしてC7がセカンダリードミナントであり
ドミナントのF7へ繋がってます。
本当に美しく力強いコード進行。
コード進行B♭-FonA-Gm-DmonF
E♭-B♭onD-Gm7-A♭/F7
度数 Ⅰ-ⅤonⅦ-Ⅵm-ⅢonⅤ
Ⅳ-ⅠonⅢ-Ⅵm7-Ⅶ♭/Ⅴ7
Gm7-A♭/F7
今度はツーファイブを避けて
ちょっと不思議な展開になります。
このA♭は何でしょうか?
ダイアトニック外となりますが、
セカンダリードミナントでもないです。
これはB♭の同主調であるB♭mのkeyより
借用さえれたコードであると思われます。
この効果もあって、急に不安な雰囲気が漂い
起承転結の「転」にあたる効果をうまく表現しています。
そして、Bメロへ引き込まれるのです。
Ⅵm7に対してのⅦ♭は同主調のドミナントコードと
覚えておくと実用的になりそうですね。
Bメロ
コード進行Gm-Dm7-Gm-Dm7
E♭-Cm7-D7/F
度数 Ⅵm-Ⅲm-Ⅵm-Ⅲm
Ⅳ-Ⅱm-Ⅲ7/Ⅴ
平行調のマイナーへ転調ですね。
D7はGmのハーモニックマイナースケールの
ドミナントコードの解釈になりますね。
参考サイト
ハーモニック・マイナー・ダイアトニック・コード(和声的短音階和音)
Cメロ(サビ)
コード進行B♭-D7-E♭–B♭
FonA-Gm-C7-Fsus4/F
B♭-D7-E♭-B♭
FonA-Gm-C7-Fsus4/F-B♭
度数 Ⅰ-Ⅲ-Ⅳ-Ⅰ
ⅤonⅦ♭-Ⅵm-Ⅱ7-Ⅴsus4/Ⅴ
I-Ⅲ-Ⅳ-Ⅰ
ⅤonⅦ♭-Ⅵm-Ⅱ7-Ⅴsus4/Ⅴ-Ⅰ
B♭-D7-E♭
I-Ⅲ-Ⅳ
歌謡曲では見かけた覚えがありますが、
J-popでは珍しいかなと思います。
特にサビではあまり見かけないですね。
しかもメジャーkeyでマイナーコードに
繋げるわけでもないのにⅢmではなく
Ⅲを使うのは面白いですね。
この効果もあり、サビ始まりから
心のくすぐられるような静かな高まりを
感じさせてくれます。
とても参考になる手法でした。
B♭-FonA-Gm-C7-Fsus4/F
凄くロマンチックでセンチメンタルな
進行ですよね。
B♭は4小節目の終わりなので一旦完結
させる意味もありながら実は
5小節目へ繋げるカノンフェイクに
繋がっているというカラクリ!
そして、ツーファイブでしっかり終わらせつつも
最後はsus4を挟みせつなさを高めてます。
技に次ぐ技で見事な連携技になってます。
おわりに
印象としては
凄く計算された繊細なコード進行でした。
全ての音がまるで点と点を結び
1つの形を作るように関連し世界観を
作り上げてます。
過去に小室哲也氏の楽曲を分析しましたが、
対極にいる感じがしてます。
どちらが良い悪いの話ではなく
タイプの違いという意味です。
両者計算した作りにはなっているのですが、
小室氏は飛び道具的な斬新なコード進行であり、
織田氏は道を辿っていくように着時なコード進行です。
改めての本当に素晴らしい名曲であると
コード進行からも知ることができました。
他にもたくさんの名曲を生み出してる方なので
これからも分析をしていこうと思います。
今回もありがとうございました。

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